外の空気を快適に取り入れるには…(植栽)

夏の森や林の中に入って、「涼しくて気持ちいい~」と感じる方も少なくないかと思います。ではその「植栽」の持つ効果がどれくらいあるのか、具体的な数字をご紹介致します。
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林の内外での年間の気温による温度差を計ると、夏に例えて、人が暑さを感じる外気20℃くらいから樹木の下の温度が 徐々に下がり始め 猛暑と呼ばれる32℃ともなると およそ8℃も下がります。8℃です!ちなみに設備(エアコン等)だけで32℃のお部屋を24℃まで下げた場合の消費電力・総Co2排出量(稼働時間)を考えるととんでもない数字になるのはおわかりかと思います。

正に 植栽は 直接の太陽光を「葉」で熱を遮り 葉の道気管がもつ水分の「蒸発」(気化熱)によって対流(自然の風)によってもたらされる効果があるという事なのです。

高原の別荘地の家で 暑さを感じないのは 樹々によって冷やされた風を 家の中に取り込むことが出来るからです。住宅においても 窓前(庇付)に 植栽(落葉樹)・芝生(地被植物)を積極的に かつ効果的に植える事で こうした爽やかな風を 取入れる事が出来るのです。

夏に換気をしたい…やはり自然の風が一番…という方には 是非 植栽計画の大切さも 考えて頂きたく思います。
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庇の前に効果的に配植された樹々たち…爽やかな風が吹き込みます。

外の空気を快適に取り入れるには…

前回は室内の空気の熱(冷気・暖気)を逃がさない様にするには、機械的な設備によって過度なエアコンの負荷を軽減するお話を致しましたが、「やはり新鮮な空気が一番!」と思う方もいられるかと思います。ではその新鮮な空気とその熱(冷気・暖気)を上手く取り入れる仕組みについてお話させて頂きます。
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今回は東京の夏を例にお部屋に入る陽射しについてご説明致します。図は夏至の日の入り方の示しており、長い庇があるので窓からは直接 太陽の熱は入らない様になっております。日本の家は昔から庇が長い理由がここにあるのです。

ではその窓より新鮮な空気を取り込みながら、涼しい空気を取入れるにはどうしたらいいのでしょうか。この図にも書かれておりますが窓の前に「樹木」と「芝生」を植える事が一番効果があるとされています。

皆さんも暑い日に森や林の中に入ると涼しさを感じる事があると思います。これは1)直接太陽の熱を遮る効果によるものと 2)植物が持つ水分の蒸発する気化熱によって周辺の温度が下がる効果があるからです。夏の暑い日に「打ち水」をすると一瞬涼しくなる経験をしたかと思います。正にそれが一日中出来るのが「樹木」「芝生」なのです。_N5D1690.jpg
窓上の長い庇と その前に配植されたが樹々(高木・地被植物)たちが外気を冷やし 室内に爽やかな風を運んで来ます。


「給排気ガラリ」を「潜熱回収」型に…

空気の入替と言うからには、新しい新鮮な空気を取入れて汚れた空気を吐き出す事が入替という事になります。
新しい空気の取入れには各部屋と外気が触れ合う壁に「給気ガラリ」という開閉式のドレイン(筒)を通す事で取り入れる事になります。これは室内の換気扇(キッチンやトイレ)によって汚れた空気を外部に排出する事により、部屋で失われた空気の分量を補う仕組みであり機械を使わず、掃出された空気の力(自然)によって、行われる換気方式で 建築用語的には「第3種換気」と呼ばれるもので、ほとんどの家にも取付いているものです。

でも 今の季節 せっかく室内のエアコンで冷やされた空気が外に出されて、自然の空気(生あたたかい空気)が入って来たり・・・冬は温かくなったお部屋の空気を外に出して 換気の為とは言え すきま風は嫌だなぁ…と感じられる方もいられるかと思います。本来であれば強制的に換気する事が望ましいのですが、色々な条件で窓の開閉が出来ない時に役に立つのが「潜熱回収システム」を併設した「給排気ガラリ」を取り付ける事です。

「潜熱(せんねつ)」とは元々お部屋にある空気が持っている熱の事で、外に掃出される熱(冷気・暖気)を 一時的に回収(蓄え)し 新しい外気を取入れる際に その空気に熱(冷気・暖気)を与えて 室内に新鮮な空気と同時に熱も取り入れようと言うシステムです。各社メーカーさんが独自に開発しているものがありますので、特徴を上手く生かして 設置する場所を考慮しながら計画する事で 過度なエアコンの負荷も避けられ 自然にもやさしい家となるのです。グルニエの換気



「24時間換気」と強制的な「空気の入替」は致しましょう

「新しい生活様式」が叫ばれている中 部屋(家)の中で どういった環境で過ごすかは、とても大切な事となって来ております。
「Stay-Home」を誰しもが経験されていらっしゃるかと思います。前回お話させて頂きました「換気の大切さ」はわかっているのだけれども、テレワークや仕事に集中しているとあっという間に2時間が経ってしまい、つい換気を忘れてしまいがちになるものです。また換気をしようとしても、春は花粉で窓を開けたくないし、梅雨時は外がジトジトしててかえって家の中の環境が悪くなりがち…空気の入替にはどうしたらいいのでしょうか。1つめの対策として「24時間換気(システム)」を取入れる方法があります。

これは建築基準法にも制定されているのですが、かつての「シックハウス症候群」により整備された法律により、新築の家には必ず「24時間家の中を換気しましょう」という法律です。シックハウス症候群とは、新建材と呼ばれる建具(扉)や床材(フローリング合板)や壁紙(クロス)並びに皆様がお使いになる家具(接着剤)に含まれる揮発性化学物質の発生源が人体に多大なる影響を及ぼす症状があり、新建材の採用で余儀なくされる状況下を改善する為に、新築住宅時には必ず24時間家の中を換気出来る構造にしましょう…という内容になっております。

法律は難しそうに聞こえますが、家が常に呼吸するような仕組みを考えて上げればいいという事です。新築住宅に限らず、今お住まいの家でも換気扇(キッチン・トイレなど)一つあれば可能なのです。その「スイッチ」を押して、あとは各部屋の扉を少し開けておけば、家中の空気が外に出されていきます。

但し全てがこれでまかなえるかと言えばそうではなく、結局は川の流れと同様に、お部屋の空気がよどむ場所には強制的な換気(空気の入替)が必要だという事です。R0011792.JPG外の空気を積極的に取り入れましょう。

換気の大切さ

「今日もいい一日だったなぁ」と感じる時はどういうときでしょうか…。
人間工学的にいうと、実際に人の1日の行動は、24時間のうち三分の一の8時間は「就寝」にあてられ 三分の一は「食事や余暇(趣味)・休息」、残り三分の一は「人との交流(仕事・育児・文化)」で過ごすという事に分けられます。その3つの内容がそれぞれ充実すると 気力も体力も満たされ 健全な状態となって「いい一日だなぁ」と感じる様になります。

その三分の一の時間をどこで過ごすかは人それぞれではありますが、「家の中」で過ごす割合が多くなればなるほど その家の中の環境がとても重要になって来ます。今でこそ家で過ごす時間が多くなっている状況なので、おおよそ三分の二の10時間~16時間は 家の中にいると言っても過言ではないかと思います。

人が自然に呼吸している様に 家の中(部屋)も呼吸が必要で、適度な換気をする事は言わずと知れた事であり、 人にとっても家にとっても 呼吸(換気)がとても大切であるという事です。実際には1部屋あたり2時間に1回くらいの換気が必要と言われております。昼間であれば意識を持って換気が出来るのですが…「就寝」の間は なかなか出来ないかと思います。

その「就寝」の8時間を快適に過ごしながら かつ昼間の8時間も快適に過ごす方法は…窓を開けたりエアコンをつけたり…う~む それもなかなか大変です。日本は南北に長い地理条件の上に1年を通じて四季もあります。1つの部屋をとっても季節によっては「花粉」「湿気」「熱気」「からっ風」などなど…で換気もままならないことでしょう…。

それを考えると たかが1部屋 されど1部屋という事です。過ごすお部屋を心地よく快適にするには 色々と「部屋の向き(方角)」「周辺状況(隣地)との把握(距離)」や「建物の構造」それに伴う「設備云々」を考慮し、十分に配慮・計画される必要性があるという事なのです。

今日も一日 いい日だったなぁ

皆様いかがお過ごしでしょうか。家の中で過ごす機会が増えていられるかと思いますが、皆様の中には「こうしたら使いやすいかなぁ…」とか何か家に関して色々なイメージを思い浮かべている方もいられるかと思います。 イメージ通りに出来たらいいなぁ…と思っていらっしゃる方々に ほんの小さなお話で、これからの家での生活がここちよいものになってゆく きっかけ作りをして参ります。

私 総合建築家 レオナルド(自称) と申します。「総合」と言うに於いては、「建築・土木・造園・絵画(芸術)・デザイン…」多岐に渡り 設計・企画・監理が出来るという事です。建築に関して幅広く 皆様と楽しみながら 話や打合せを円滑に進める事が出来ることをモットーとしています。すべて一人で致しますので無駄なコストも掛かりません。

出来上がった家に住まわれて、ひと言「今日もいい一日だったなぁ」とおっしゃって頂けます様 日々頑張っています。
今後とも是非お付合いの程宜しくお願い申し上げます。220px-Leonardo_da_Vinci_-_presumed_self-portrait_-_WGA12798.jpg